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法人成り(法人化)のメリット・デメリット

事業が順調に成長し、規模が拡大していくと、個人事業主でも法人成り(法人化)を考え始めることが多いと思います。また、創業、起業時において最初から法人成り(法人化)した方が良いのか、最初は個人事業主として事業を営んだ方が良いのか悩まれる方が多いのではないでしょうか。これは、法人成り(法人化)することでどういうメリットやデメリットがあるのか分かりにくいためでしょう。そこで、法人成り(法人化)するメリットやデメリットをまとめました。

法人化するメリット


法人化は以下のようなメリットがあります。

  • 節税対策になる
  • 有限責任になる
  • 信用力がつく
  • 社会保険に加入できる

節税対策になる


企業の利益に掛かる法人税は法人税と法人住民税、法人事業税を合わせた実効税率で35%程度です。一方、個人の所得に対して課税される所得税は、超過累進課税がとられているため、所得が増えるほど上がっていきます。たとえば、所得税は所得195万円以下の部分は5%ですが、所得195万円を超えて330万円以下の部分は10%、330万円を超えて695万円以下の部分は20%と上がり、税率は最高で45%にもなります。

また、住民税は、どの市区町村に住んでいても一律で所得の10%を支払う所得割と、市区町村によって算出方法が異なる均等割の合計額を支払います。そのため、年間の所得がおおよそ500万円を超えると、法人化した方が支払う税金が少なくなるケースが多いため、法人化した方が得になるケースが出てきます。

有限責任にできる


個人事業では、経営が悪化した際に仕入先への未払金や金融機関などからの借入金、滞納している税金などは個人の負債として支払義務は免れません。一方、法人化した場合には、個人保証による借入を除くと出資金の範囲内での責任になります。創業時や起業時に多く利用する、日本政策金融公庫からの借入は原則として無保証です。そのため、会社が万が一うまくいかなくなった場合、出資金は返還されませんが、日本政策金融公庫からの借入は社長個人としては返済する義務はありません。(個人保証している場合は、個人として返済義務あり)

信用力が上がる


一般的に個人よりも法人の方が信用度が高く、取引先を法人に限定している企業もあります。法人化することで取引先を確保しやすくなり、取引先の幅が広がります。リクルートも個人より法人の方が実施しやすいでしょう。また、金融機関からの借入を行う際にも個人では事業目的の融資は受けにくく、借入できても保証人を求められるケースが多いのが現実です。法人化することで信用力が上がり、金融機関からの融資など、資金調達がしやすいこともメリットに挙げられます。

社会保険へ加入できる


健康保険と厚生年金は個人事業では特定の業種で5名以上雇用している場合のみ強制加入の対象になりますが、法人化すると雇用する人数に関係なく、強制加入になります。(この点は後述の通りデメリットとも考えられます。)

健康保険や厚生年金の保険料は、会社側と従業員側が折半で支払います。法人化して経営者や家族が加入したとき保険料の負担自体は、雇用の状況などに応じて大きく違ってくるので、確実にシミュレーションする必要があります。しかし、国民健康保険や国民年金よりも補償が手厚いため、法人化によって社会保険に加入できることはメリットとして考えられるかもしれません。

法人化するデメリット


一方で法人化すると以下のようなデメリットが生じます。

  • 赤字でも必ず支払う必要がある税金が発生する
  • 社会保険への加入が必須となる
  • 会計や事務手続きが増加する
  • 交際費が全額損金に参入できない

赤字でも税金(均等割)の支払いが必要


個人事業主であれば、赤字経営となってしまった場合には所得税や住民税の負担はありません。一方、法人に課される法人住民税は、資本金などをもとにした均等割部分がたとえ赤字であっても発生します。小規模法人の場合で7万1千円ほどです。

社会保険への加入が必須


前述のように、健康保険や厚生年金は法人化によって強制加入することになります。従業員分の社会保険料の負担もあるため、4人以下の従業員を雇用しているケースでは、法人化によって人件費の負担が重くなることがデメリットです。金額的負担がかなり大きく、経営資金面にも大きく影響します。慎重に検討しないといけない課題の一つです。

会計や事務手続きなどが増える


個人事業の場合、独力で税務申告や会計処理を行う人も少なくありません。しかし、法人化すると会計処理が複雑化するため、自分でやるのはかなり困難です。税理士や公認会計士に委託することで、コストが発生することがデメリットになります。また社会保険などの手続きなど事務処理も煩雑になり、事務スタッフが必要になるケースもあります。

交際費が全額損金に算入できない


個人事業の場合、事業に関連性があれば交際費は全額損金にできます。一方、法人の場合は資本金1億円以下の企業は年間800万円までは全額損金に算入が可能ですが、それ以外は損金として認められません。法人化したての会社や起業間もないベンチャーやスタートアップが交際費800万円以上使用することはあまり考えられないので、そんなにデメリットでないと思います。それ以上にメリットの方が大きいと思います。

法人化のメリットとデメリットはどう考える?


個人事業から法人化することで、社会保険料の負担が増えたり、会計や事務処理が煩雑になったりするなど、費用や業務の負担がアップする面もあります。しかし、事業規模が大きくなれば法人化による節税メリットは大きく、事業を拡大していくためにも法人化して信用度をアップすることが必要となります。いつかは法人化することを視野に入れて事業を進めていくことも必要だといえるでしょう。

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黒田公認会計士事務所 公認会計士・税理士 黒田健治

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